【感想・書評】世界でもっとも強力な9のアルゴリズム
今日、至る所にコンピュータが浸透し、また私達自身もスマホという名にコンピュータを日常的に使っている。そして、我々は何気につかっているコンピュータやインターネットでどのようなアルゴリズムが動いているかを全く意識せずに使うことができる。
今回紹介するこの「世界でもっとも強力な9のアルゴリズム」という本は、私達が全く意識せずに使っているが、世界に多大なる影響を与えたアルゴリズムを非常にわかりやすく、情報系の勉強をしていない人でも理解できるように説明してくれている。
この本では無数にあるアルゴリズムの中でも9つに絞って説明しているが、その選定基準は、①普通のコンピュータユーザが毎日使っている②現実世界の具体的な問題を解決うするアルゴリズムであること③主としてコンピュータ科学理論に関係するアルゴリズムであること、である。
紹介されているアルゴリズムを挙げると以下の9つである。
この中でも特に目からウロコだったのは公開鍵暗号法とデジタル署名の説明だった。この2つのアルゴリズムは情報系の大学生ならセキュリティの授業で習うと思うが、私はこの2つのアルゴリズムが何回説明されてもいまいちピンと来なかった。しかしこの本では「絵の具を混合する」という誰でもわかる例を使って説明してくれるので雷が落ちたような気分になった。いままで大学の授業で「巨大な素数どうしの因数分解は困難だから〜」のような説明ばかりされていたからである。
というわけで、この本を読むだけで情報系の大学生がならうことの大部分を理解できてしまった。この本は情報系ではない一般の人だけでなく、情報工学を学んでいる大学生にもオススメできる。